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石油部会 2018年度「石油部会」活動方針

2017年7月29日

Ⅰ.はじめに

 日本経済は、景気回復基調が続き、日銀も9年ぶりに景気判断で「拡大」という言葉を使用し「穏やかな拡大に転じつつある」としましたが、生活者としては日銀の判断とはズレがあるのが実感だと考えます。また、イギリスのEU離脱決定やトランプ政権誕生が日本経済に与える影響が懸念されてきましたが、その影響は軽微だったといえます。今後は、雇用環境の改善により、人手不足による経済への影響が懸念されています。また、アメリカによるシリアへの空爆、北朝鮮の国際社会への挑発的なミサイル発射、フランスではEU残留派の大統領、韓国では9年ぶりの左派政権誕生などが今年後半の経済にどのような影響を与えるか注視する必要があります。

 石油産業においては、為替が110円/ドル前後、原油価格は昨年11月からのOPECの減産合意、非OPECの減産追随により、50ドル/バレル前後で安定して推移しているものの、石油および天然ガスの探鉱・開発事業におけるリスクやコストの増加、国内製品需要の構造的減少による収益の低下、高度化法第3次告示内容の見通しと対応など、取り巻く環境の厳しさに変化はありません。

 このような中、石油・天然ガス開発事業においては、プロジェクト事業見直しの対応、精製・元売り事業においては、経営統合、共同事業合同会社の設立や協業関係構築、操業の見直しを含む供給体制の整備などが行われています。

 石油政策の方向性としては、官民一体での上流権益獲得、供給源多角化、備蓄等の危機管理強化、平時を含めた全国供給網を維持するための経営基盤の強化に向けた取り組みが必要とされ、石油産業の事業基盤の再構築に向けた課題は、サプライチェーン(石油・天然ガス開発、輸入、貯蔵・備蓄、精製、輸送、販売)の維持・強化、石油本体事業(精製・販売)の設備最適化や総合エネルギー産業化であると認識しています。

 私たちは、このような中で雇用の安定確保、職場の安全・衛生の確保、総合労働条件の維持・改善を図るためには、産業の活性化と企業の健全な発展が極めて重要であるとの観点から、産業政策活動を石油部会の主要活動と位置付け、行政・政党・議員・業界団体・他組織との連携をより一層深め、重点的に取り組んでいきます。

 同じく単組支援活動も主要活動と位置付け、石油部会内の情報共有化や各単組のニーズに合った支援、個別の雇用問題などには緊密な連携をもって対応していきます。

 また、労働組合の組織率低下に歯止めがかからない中、連合は「1000万連合」の実現に向けた取り組みを本格化させ、JEC連合もプロジェクトを設置して対応を継続しています。石油部会としてもJEC連合本部と連携を図りながら積極的に組織拡大に取り組みます。

 石油部会は「情報を共有化し、加盟価値を高められる」存在になることを目指し、JEC連合の各部会やJEC総研とも連携しながら「2018年度JEC連合運動方針」に則り、上記の活動を推進していきます。

 また、部会運営においては、本年度も引き続き効率化を図るとともに、諸活動の充実に向け、執行部単組および石油部会構成組織の力強い支援を得ながら活動を展開していきます。

 

Ⅱ.活動の重点と具体的な計画

1. 石油産業政策活動の推進

 原油価格の動向は、2016年11月のOPEC減産合意、それを受けて非OPECの減産追随によって小幅に上昇し、1バレル50ドル/バレル前後で安定して推移しているといえます。油価の上昇を受け石油各社の事業環境に一服感はあったものの、一昨年の原油価格の大幅な下落により毀損した収益状況を改善するには至らず、厳しい経営環境が継続しているのが現実です。

 国内需要の構造的な減少が進行する中、エネルギー供給構造高度化法第2次告示への対応が2017(平成29)年3月末を以って完了し、原油処理能力については、1次も含め業界全体で、489万バレルから395万バレルへと、約28%削減されました。また、残油処理装置の装備率については、全体で50.5%となっており、目標の50%程度を達成しました。

 今後については、原油の有効利用、国際競争力の強化などを目的に、重質油分解装置の稼働率向上、製油所間連携、能力増強等により有効活用することが求められる見込みです。

 企業の国際競争力強化を目指して、事業再編が推し進められ、JXホールディングス株式会社と東燃ゼネラル石油株式会社が、2017(平成29)年4月1日に経営統合しました。また、出光興産株式会社と昭和シェル石油株式会社は、経営統合に向けて対等なパートナーとしてアライアンスを組み、広範囲にわたって協業を深化させていくことを発表しました。

 なお、キグナス石油株式会社とコスモエネルギーホールディングス株式会社は、資本業務提携を発表し、3年後を目処に石油製品の売買取引を行うことを目指すとしています。

 上流部門では、2030(平成42)年度に、原油・ガスの自主開発比率を40%以上とする目標を掲げて取り組みが進められる中で、原油価格低迷に伴う海外の資源開発会社の株式や権益の価格下落を背景に、上流開発企業による企業買収等への支援や資金調達の多様化等を目的とするJOGMEC法の改正が2016年11月に行われており、資源開発が新たなステージに入ったと言えます。

 エネルギー基本計画では、石油は利用用途の広さ(発電、運輸燃料等)や利便性の高さ(可搬性、インフラの充実度)から、今後も活用していく重要なエネルギー源と位置付けられるとともに、より具体的には、調整電源としての石油火力発電の活用、災害時のエネルギー供給の「最後の砦」として石油の供給網の強靭化を推進すること、石油産業の経営基盤を強化するため、国際展開や石油コンビナートの構造改善などの方向性が示されました。

 一次エネルギー供給については、石油は2030年度においても30%程度のシェアを占めることとされており、一次エネルギーの大宗を占める重要なエネルギーであり続けることに変わりはありません。

 しかし、石油製品の需要は1999(平成11)年度の2億46百万KLをピークとして、2015(平成27)年度は1億80百万KLと下がり続け、2016(平成28)年度はおよそ1億77百万KLと見込まれています。2017(平成29)年度から2021(平成33)年度までは、毎年平均1.5%減と予測されており、省エネ技術の進歩から需要の減少はさけられないものの、消費者から「石油」が選ばれ続けるエネルギーとなる工夫も必要です。

 上記の認識に基づき、石油産業の維持・発展を目指し、継続課題であるサプライチェーンの維持・強化や石油関連税制に対する適正な対応、国際競争力強化や総合エネルギー産業化などの経営基盤強化などに対して、産業政策委員会を中心に以下の具体的行動を積極的に取り組んでいきます。

(1)政策の立案と広報・学習活動

○ 産業政策活動の項目ごとに役割・目的・目標等を明示し、そのスケジュールを一覧にして提示します。

○ 個別業種ごとの具体的な政策・取り組み目標を策定し、政策趣旨および産業政策活動の経過を含めた産業政策資料を発行します。本資料は部会加盟単組に配布するとともに要請行動や周知活動にも活用します。

○ 石油産業の現状・課題および産業政策の取り組み状況等について、広く理解を得るためにホームページ等を活用した情報公開に努めます。

○ エネルギー産業の動向や石油産業政策に対する理解を深めることを目的に、部会会議に併せ研修・講演会等を開催します。

 (2)議員、行政等への要請行動

○ 産業政策実現のため、また、公平なエネルギー政策を求めるため、行政・政党・議員などへの要請行動を展開します。なお、パブリックコメントおよびJEC連合全体としての意見・見解については、政策委員会、JEC総研および他業種別部会の協力を得ながら適宜提出していきます。

○ 資源エネルギー庁への要請は、予算編成との関係を考慮しつつ、JEC総研と連携して実施します。また、要請内容やその結果について、より一層理解を深めることができる取り組みを検討します。

(3)外部団体との連携・強化

①化学エネルギー政策推進議員連盟

○ 産業政策活動推進のために、JEC総研を通じ化学エネルギー政策推進議員連盟との連携を図ります。

○ 石油部会、化学エネルギー政策推進議員連盟を中心とした国会議員、業界団体の参加を基本に意見交換会を企画します。

②関係省庁

○ エネルギー、税制ならびに環境に関わる政策の立案に際しては、立案能力の向上や情報収集を目的として、関係省庁との連携強化に努めます。

③業界団体(石油連盟、石油鉱業連盟、その他エネルギー関連団体)

○ 関連する経営諸団体との連携強化のため、日常的に的確な情報入手や意見交換に努めるとともに、政策の推進および協働行動の検討に向けて、情報・意見交換の場を企画します。

○ 石油連盟との労使懇談会は、役員・理事(会社代表者)との産業政策懇談会と、労政連絡会との企業共通の課題をテーマにした情報・意見交換会を企画します。

○ 石油鉱業連盟との労使懇談会については、役員・理事(会社代表者)との産業政策懇談会と、連盟窓口との窓口情報交換会を企画します。

○ 石油化学工業協会とは、部会加盟単組の関連企業が加盟していることもあることから、JEC総研を通じて情報交換するよう努めます。

○ その他エネルギー関連団体との連携を検討していきます。

④連合、インダストリオール・JAF等

○ 上部団体のエネルギー産業政策立案に際し、私たちの政策内容が反映されるよう、JEC連合本部を通じて積極的に関わっていきます。

 (4)その他

○ 単組代表者会議・書記長会議を通じて、個別業種・企業の状況等を情報交換し、認識の共有化に努めます。

○ 他業種別部会との間で、お互いの産業状況や課題について認識を深めるとともに、共通する課題に対しての連携を図ります。

○ 産業政策に反映するため、エネルギー関連会議等への出席を通じて産業の実情調査を実施します。

 

2.総合労働条件改善と春季生活闘争の取り組み

 労働条件の維持・改善を図るため、年間を通じて総合労働条件改善に向けた取り組みを進めます。また、春季生活闘争については、JEC連合本部の方針を基に取り組むとともに、石油部会としては産業・企業状況に応じた個別の課題に取り組みます。

(1)総合労働条件改善に向けた取り組み

○ 書記長会議を中心に、総合的な労働条件の改善に向けた各単組の情報・意見交換の場を設けて、連携効果が発揮できる取り組みを進めます。

○ 部会加盟単組の労働条件調査については、今後のベア要求に活用することを目的に調査内容の充実を図るとともに、各単組において労働条件向上の取り組みに活用していきます。

(2)2018春季生活闘争

○ JEC連合春季生活闘争方針の策定にあたっては、中央執行委員会や部会書記長会議などを通じて、石油部会の意見を反映するように努めます。

○ 2018春季生活闘争については、JEC連合本部の策定する方針を基に、石油部会2017春季生活闘争のまとめを踏まえて取り組みます。

○ 春季生活闘争の要求・回答内容の調査については、方法と公開範囲等について再考します。

○ 石油部会全体の連携による相乗効果を発揮するため、部会の取り組みの進め方や支援体制、諸会議の役割・機能の明確化を図るとともに、JEC連合本部との連携や情報交換についてもそのあり方を検証し、更なる改善を図ります。特に中小単組に対する支援については部会との連携を密にし、最大の成果を引き出すことを目指します。

(3)業界団体(労政連絡会)との情報交換

○ 石油連盟の労政連絡会(各社の人事・労務担当者で構成)と連携し、労使が共通認識を醸成する必要のあるテーマで労使懇談会を実施します。

 

3. 雇用の安定・確保を図る取り組み

 石油産業を取り巻く状況が刻々と変化する中で、石油産業各社は、変化に対応すべく、様々な経営諸施策を講じています。こうした動向は、私たちの雇用や生活の安定に影響を与えかねず、雇用や労働条件に対する深刻な不安が現実となるケースも散見されています。従って、産業および企業の動向を注視するとともに、経営実態のみではなく、経営者の姿勢に対するチェック機能についてもより一層強化し、事前の労使間協議などの取り組みを着実に実践していくことが重要です。雇用の安定・確保を図る取り組みについては、JEC連合運動方針に基づき取り組みます。

 

4. 職場の安全・健康を確保する取り組み

 組合員の安全・健康を確保する取り組みは組合活動の柱であり、これまでも注力して取り組んできましたが、予期せぬ出来事や、不測の事態に対する備えについても万全とし、すべての職場で日常的な労働安全衛生対策の強化が図られるよう、引き続きJEC連合運動方針に基づき取り組みます。

 

5. 組織拡大への取り組み

 同じ産業・業種で働く仲間を増やすことは、働く者の意見・提言力を強めること、また、組織の活性化や、緊急時における迅速で広範囲な協力・支援体制の構築にも繋がります。組織拡大への取り組みについては、JEC連合運動方針および「1000万連合」実現に向けたJEC連合の対応に基づき各単組の協力を得ながら進めます。

 

6. 男女共同参画社会実現に向けた取り組み

 これまで男女が互いに人権を尊重しつつ責任も分かち合い、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現に向けて取り組みを進めてきましたが、更に現在の社会情勢の変化を織り込みつつ、企業や労働組合が果たすべき役割を再認識し、単組はもちろん、JEC連合および部会の諸活動への女性役員・組合員の参加率を高めるよう努めます。

また、働く場面での男女均等の活躍と、仕事と生活の調和を目的に、「石油部会・男女共同参画フォーラム」を開催します。

 

7. 部会の効率的・機能的な運営の取り組み

 部会運営の効率化を図ることはもちろん、構成組織が担うべき役職・役割については、それぞれの単組の構成人数が減少する中にあっても、最大限の協力を求め、執行部単組および石油部会構成組織とともに対応していきます。具体的には、以下の諸会議・各種委員会を設置し、組織運営を進めていきます。

(1)諸会議等

①単組代表者会議

○ 部会の決議機関としての位置づけの基、活動方針、春季生活闘争の取り組み等を決定する他、各種活動に対する情報・意見交換等を行います。

○ 開催頻度は4回/年とし、第1回は地方開催を原則、第2・3回は東京開催、第4回はJEC連合定期大会に併せて開催します。

○ 地方開催は、施設見学、または、講演会の併催を視野にいれます。

②執行委員会

○ 各種会議での議論等を踏まえ、具体的な活動の立案と執行にあたります。

○ 開催頻度は10回/年を基本とします。

○ 他業種別部会との合同会議を検討します。

③産業政策委員会

○ 政策立案とその実現に向けた活動(具体的には、Ⅱ-1を参照)を実践します。

○ 産業政策委員会の更なる充実を図るため、執行委員会との併催を基本に開催します。

④書記長会議

○ 総合的な労働条件の確保に向けた、単組間の情報・意見交換を中心としつつ、テーマを絞った議論や学習の場とし、適宜講演会の併催や施設見学等を企画します。

○ 開催頻度は3回/年とし、第1回は東京、第2回はJEC連合中央討論集会に併せて開催、第3回は原則、地方開催とします。

⑤先行グループ会議

○ 石油部会集中回答日のヤマ場に回答を引き出す単組を中心に構成します。

○ 春季生活闘争における交渉状況等について情報・意見交換等を行います。

○ 開催頻度は3月中に2回とし、いずれも東京開催とします。

 (2)各種オルグ

①春闘支援オルグ

○ 小規模単組に対し、2月下旬〜 4月上旬に実施します。

②単組訪問オルグおよび単組役員研修

○ 単組執行部との情報交換を目的に、単組要望に応じて訪問します。_

 (3)単組定期大会および臨時大会・中央委員会等への挨拶など

①単組定期大会

○ 石油部会執行部およびJEC連合三役にて対応します。

②臨時大会・中央委員会

○ 単組の春闘方針決定機関である臨時大会・中央委員会は原則メッセージ対応としますが、単組要望によりオルグ・研修会等の内容を含む場合は訪問します。

(4)地方単組連絡会

○ 地方に本部を置く「地方単組」が自主的に開催している連絡会については、幹事単組の要請により石油部会執行部より出向き、意見交換に努めます。

(5)その他

 ○ 年間を通じて諸会議への参加が少ない加盟単組を訪問し、活動への参加を促します。

 

Ⅲ.その他の取り組み

○ その他、上部団体・関係団体等との連携、自主福祉活動に関する取り組みおよび社会貢献活動等については、JEC連合運動方針に基づき取り組みます。

○ 選挙への対応など政治活動へのかかわりについては、各単組の判断を尊重する中で、JEC連合運動方針に基づき取り組みます。

 

以 上