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石油部会 2016年度「石油部会」活動方針

2015年8月1日

Ⅰ.はじめに

日本経済は、製造業での設備投資計画の増加、企業収益の改善の動き等から、緩やかな景気回復基調が続いています。個人消費についても、実質総雇用所得が底堅い動きとなっている中で持ち直しの兆しが見られ、先行きについては、雇用・所得環境が改善傾向にある中で持ち直しに向かうことが期待されています。ただし、中国の金融市場の動向や長期化する欧州債務問題への対応など、海外景気の下振れが引き続き日本の景気を下押しするリスクとなっています。

石油産業においては、為替が120円/ドル前後の円安が続く中、原油価格は昨年夏からの急落の後、現在は60ドル/バレル前後まで上昇するなど価格の見通しが難しい中、事業計画が立てづらい環境にあります。また、石油および天然ガスの探鉱・開発事業におけるリスクやコストの増加、国内製品需要の構造的減少や需給バランスの崩れによる収益の悪化、高度化法の新たな判断基準への対応など、取り巻く環境が激変し一層厳しさが増しています。

このような中、石油・天然ガス開発事業においては、プロジェクト事業見直しの対応、精製・元売り事業においては、共同事業合同会社の設立や協業関係構築、操業の見直しを含む供給体制の整備などが行われています。

石油政策の方向性としては、官民一体での上流権益獲得、供給源多角化、備蓄等の危機管理強化、平時を含めた全国供給網を維持するための経営基盤の強化に向けた取り組みが必要とされ、石油産業の事業基盤の再構築に向けた課題は、サプライチェーン(石油・天然ガス開発、輸入、貯蔵・備蓄、精製、輸送、販売)の維持・強化、石油本体事業(精製・販売)の設備最適化や総合エネルギー産業化であると認識しています。

私たちは、このような中で雇用の安定確保、職場の安全・衛生の確保、総合労働条件の維持・改善を図るためには、産業の活性化と企業の健全な発展が極めて重要であるとの観点から、産業政策活動を石油部会の主要活動と位置付け、行政・政党・議員・業界団体・他組織との連携をより一層深め、重点的に取り組んでいきます。

同じく単組支援活動も主要活動と位置付け、石油部会内の情報共有化や各単組のニーズに合った支援、個別の雇用問題などには緊密な連携をもって対応していきます。

また、労働組合の組織率低下に歯止めがかからない中、連合は「1000万連合」の実現に向けた取り組みを本格化させ、JEC連合もプロジェクトを設置して対応しています。石油部会としてもJEC連合本部と連携を図りながら積極的に組織拡大に取り組みます。

石油部会は「情報を共有化し、加盟価値を高められる」存在になることを目指し、JEC連合の各部会やJEC総研とも連携しながら「2016年度JEC連合運動方針」に則り、上記の活動を推進していきます。

また、部会運営においては、本年度も引き続き効率化を図るとともに、諸活動の充実に向け、執行部単組および石油部会構成組織の力強い支援を得ながら活動を展開していきます。

 

Ⅱ.活動の重点と具体的な計画

1.石油産業政策活動の推進

昨年の年初(2014年8月上旬)、1バレル97ドル台で始まったWTI原油先物価格は、米国でのシェールオイル増産に起因する供給過剰感が台頭したことに加え、OPECによる減産見送りや、世界経済停滞への懸念から石油需要予測が度重なり下方修正されたことにより一貫して下落し、2014年12月末における価格は47ドル台まで急落しました。その後、緩やかに原油価格は上昇し2015年5月末現在で60ドル前後まで回復しました。この結果、石油各社は、事業環境の悪化により、厳しい経営環境に直面しているのが現実です。

国内需要の構造的な減少が進行する中、昨年6月に産業競争力強化法第50条に基づいた「石油精製業に関する市場構造調査」が実施され、その結果、7月末にエネルギー供給構造高度化法の新たな判断基準が告示されました。対象となる石油各社は、2017年3月末を最終期限として、この新たな判断基準に対応した「設備最適化の措置」などの対応が求められております。

しかし、東日本大震災では、化石燃料が被災地において生命維持・救援活動・復旧活動など幅広く市民生活を支えて分散型エネルギーとしての強みを発揮しました。その事実を踏まえれば、「石油」は災害対応力に優れた分散型・自立型の基幹エネルギーとして、更に石化製品・潤滑油など国民生活に欠くことのできない資源として位置づけられるものといえます。そして、「石油」がこうした重要な役割を今後も果たしていくためには、緊急時だけでなく、平時から安定的な需要を確保することが欠かせません。また、「石油」が消費者から選ばれるエネルギーとなることも必要です。

上記の認識に基づき、石油産業の維持・発展を目指し、継続課題であるサプライチェーンの維持・強化や石油関連税制に対する適正な対応、石油産業における成長戦略などに対して、産業政策委員会を中心に以下の具体的行動を積極的に取り組んでいきます。

(1)政策の立案と広報・学習活動

○産業政策活動の項目ごとに役割・目的・目標等を明示し、そのスケジュールを一覧にして提示します。

○個別業種ごとの具体的な政策・取り組み目標を策定し、政策趣旨および産業政策活動の経過を含めた産業政策資料を発行します。本資料は部会加盟単組に配布するとともに要請行動や周知活動にも活用します。

○石油産業の現状・課題および産業政策の取り組み状況等について、広く理解を得るためにホームページ等を活用した情報公開に努めます。

○エネルギー産業の動向や石油産業政策に対する理解を深めることを目的に、部会会議に併せ研修・講演会等を開催します。

(2)議員、行政等への要請行動

○産業政策実現のため、また、公平なエネルギー政策を求めるため、行政・政党・議員などへの要請行動を展開します。なお、パブリックコメントおよびJEC連合全体としての意見・見解については、政策委員会、JEC総研および他業種別部会の協力を得ながら適宜提出していきます。

○資源エネルギー庁への要請は、予算編成との関係を考慮し、6月に実施します。

(3)外部団体との連携・強化

①JEC連合政策フォーラム議員

○産業政策活動推進のために、JEC連合政策フォーラム議員との連携を図ります。

○石油部会、JEC連合政策フォーラム議員を中心とした国会議員、業界団体の参加を基本に合同研修会を企画します。

②関係省庁

○エネルギー、税制ならびに環境に関わる政策の立案に際しては、立案能力の向上や情報収集を目的として、関係省庁との連携強化に努めます。

○化学部会、化学総連との共催でコンビナート政策交流会を実施し、資源エネルギー庁および企業代表者との情報・意見交換に努めます。

③業界団体(石油連盟、石油鉱業連盟、その他エネルギー関連団体)

○関連する経営諸団体との連携強化のため、日常的に的確な情報入手や意見交換に努めるとともに、政策の推進および協働行動の検討に向けて、情報・意見交換の場を企画します。

○石油連盟との労使懇談会は、役員・理事(会社代表者)との産業政策懇談会と、労政連絡会との企業共通の課題をテーマにした情報・意見交換会を企画します。

○石油鉱業連盟との労使懇談会については、役員・理事(会社代表者)との産業政策懇談会と、連盟窓口との窓口情報交換会を企画します。

○その他エネルギー関連団体との連携を検討していきます。

④連合、インダストリオール・JAF等

○上部団体のエネルギー産業政策立案に際し、私たちの政策内容が反映されるよう、JEC連合本部を通じて積極的に関わっていきます。

(4)その他

○単組代表者会議・書記長会議を通じて、個別業種・企業の状況等を情報交換し、認識の共有化に努めます。

○他業種別部会との間で、お互いの産業状況や課題について認識を深めるとともに、共通する課題に対しての連携を図ります。

○産業政策に反映するため、エネルギー関連会議等への出席を通じて産業の実情調査を実施します。

 

2.総合労働条件改善と春季生活闘争の取り組み

労働条件の維持・改善を図るため、年間を通じて総合労働条件改善に向けた取り組みを進めます。また、春季生活闘争については、JEC連合本部の方針を基に取り組むとともに、石油部会としては産業・企業状況に応じた個別の課題に取り組みます。

 

(1)総合労働条件改善に向けた取り組み

○書記長会議を中心に、総合的な労働条件の改善に向けた各単組の情報・意見交換の場を設けて、連携効果が発揮できる取り組みを進めます。

○部会加盟単組の労働条件調査については、今後のベア要求に活用することを目的に調査内容の充実を図るとともに、各単組において労働条件向上の取り組みに活用していきます。

(2)2016春季生活闘争

○JEC連合春季生活闘争方針の策定にあたっては、中央執行委員会や部会書記長会議などを通じて、石油部会の意見を反映するように努めます。

○2016春季生活闘争については、JEC連合本部の策定する方針を基に、石油部会2015春季生活闘争のまとめを踏まえて取り組みます。

○石油部会全体の連携による相乗効果を発揮するため、部会の取り組みの進め方や支援体制、諸会議の役割・機能の明確化を図るとともに、JEC連合本部との連携や情報交換についてもそのあり方を検証し、更なる改善を図ります。特に中小単組に対する支援については部会との連携を密にし、最大の成果を引き出すことを目指します。

(3)業界団体(労政連絡会)との情報交換

○石油連盟の労政連絡会(各社の人事・労務担当者で構成)と連携し、労使が共通認識を醸成する必要のあるテーマで労使懇談会を実施します。

 

3.雇用の安定・確保を図る取り組み

石油産業を取り巻く状況が刻々と変化する中で、石油産業各社は、変化に対応すべく、様々な経営諸施策を講じています。こうした動向は、私たちの雇用や生活の安定に影響を与えかねず、雇用や労働条件に対する深刻な不安が現実となるケースも散見されています。従って、産業および企業の動向を注視するとともに、経営実態のみではなく、経営者の姿勢に対するチェック機能についてもより一層強化し、事前の労使間協議などの取り組みを着実に実践していくことが重要です。雇用の安定・確保を図る取り組みについては、JEC連合運動方針に基づき取り組みます。

 

4.職場の安全・健康を確保する取り組み

組合員の安全・健康を確保する取り組みは組合活動の柱であり、これまでも注力して取り組んできましたが、予期せぬ出来事や、不測の事態に対する備えについても万全とし、すべての職場で日常的な労働安全衛生対策の強化が図られるよう、引き続きJEC連合運動方針に基づき取り組みます。

 

5.組織拡大への取り組み

同じ産業・業種で働く仲間を増やすことは、働く者の意見・提言力を強めること、また、組織の活性化や、緊急時における迅速で広範囲な協力・支援体制の構築にも繋がります。組織拡大への取り組みについては、JEC連合運動方針および「1000万連合」実現に向けたJEC連合の対応に基づき各単組の協力を得ながら進めます。

 

6.男女共同参画社会実現に向けた取り組み

これまで男女が互いに人権を尊重しつつ責任も分かち合い、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現に向けて取り組みを進めてきましたが、更に現在の社会情勢の変化を織り込みつつ、企業や労働組合が果たすべき役割を再認識し、単組はもちろん、JEC連合および部会の諸活動への女性役員・組合員の参加率を高めるよう努めます。

また、働く場面での男女均等の活躍と、仕事と生活の調和を目的に、「石油部会・男女共同参画フォーラム」を開催します。

 

7.部会の効率的・機能的な運営の取り組み

部会運営の効率化を図ることはもちろん、構成組織が担うべき役職・役割については、それぞれの単組の構成人数が減少する中にあっても、最大限の協力を求め、執行部単組および石油部会構成組織とともに対応していきます。具体的には、以下の諸会議・各種委員会を設置し、組織運営を進めていきます。

(1)諸会議等

①単組代表者会議

○部会の決議機関としての位置づけの基、活動方針、春季生活闘争の取り組み等を決定する他、各種活動に対する情報・意見交換等を行います。

○開催頻度は4回/年とし、第1回は地方開催、第2・3回は東京開催、第4回はJEC連合定期大会に併せて開催します。

○地方開催では、施設見学、または、講演会の併催も検討します。

②執行委員会

○各種会議での議論等を踏まえ、具体的な活動の立案と執行にあたります。

○開催頻度は10回/年とします。

○他業種別部会との合同会議を計画します。

③産業政策委員会

○政策立案とその実現に向けた活動(具体的には、Ⅱ-1を参照)を実践します。

○産業政策委員会の更なる充実を図るため、執行委員会に併催を基本に開催します。

④書記長会議

○総合的な労働条件の確保に向けた、単組間の情報・意見交換を中心としつつ、テーマを絞った議論や学習の場とし、適宜講演会の併催や施設見学等を企画します。

○開催頻度は3回/年とし、第1回は東京、第2回はJEC連合中央討論集会に併せて開催、第3回は地方開催とします。

⑤先行グループ会議

○石油部会集中回答日のヤマ場に回答を引き出す単組を中心に構成します。

○春季生活闘争における交渉状況等について情報・意見交換等を行います。

○開催頻度は3月中に2回とし、いずれも東京開催で執行委員会と併催します。

(2)各種オルグ

①春闘支援オルグ

○中小規模単組に対し、3月下旬~4月上旬に実施します。

②単組訪問オルグおよび単組役員研修

○単組執行部との情報交換を目的に、単組要望に応じて訪問します。

(3)単組定期大会および臨時大会・中央委員会等への挨拶など

①単組定期大会

○石油部会執行部およびJEC連合三役にて対応します。

②臨時大会・中央委員会

○単組の春闘方針決定機関である臨時大会・中央委員会は原則メッセージ対応としますが、単組要望によりオルグ・研修会等の内容を含む場合は訪問します。

 

Ⅲ.その他の取り組み

○その他、上部団体・関係団体等との連携、自主福祉活動に関する取り組みおよび社会貢献活動等については、JEC連合運動方針に基づき取り組みます。

○政治活動に対する基本スタンスおよび選挙への対応は、各単組の自主判断を尊重する中で、JEC連合運動方針に基づき取り組みます。

 

以上