JEC連合 日本化学エネルギー産業労働組合
 

 
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私たち石油部会には、石油産業に関わる開発・精製元売・流通・石油化学・LPガス・物流・流通といった部門で主に構成されており、現在25組合が加盟しています。
以下に、石油産業をとりまく各部門の情勢と産業政策についてご紹介します。
石油産業のとりまく情勢
(1)石油開発
  • 特殊法人改革の一環として、「石油公団の廃止」とその大半の機能を継承する「独立行政法人の設立」が決定され、石油開発にあたっては民間主導の基本原則が敷かれることとなります。現在、石油は市場での調達が容易であることから、エネルギー安全保障の重要性が薄らいできている風潮にあるものの、依然としてOPECによる価格調整、緊迫した国際情勢などによる供給の不安定要素が常に顕在しており、政治・戦略的な特性を持つ商品であることは払拭されるものではありません。
  • 総合資源エネルギー調査会の答申では、2010年のエネルギー供給のうち石油依存度は45%、天然ガスは14%と想定しており、引き続き石油はエネルギー源の太宗を占め、わが国の経済や私たちの生活において極めて重要な資源であることに変わりはなく、その安定供給は必要不可欠です。
  • また、世界の主要国および主要国際石油会社(メジャー)は、石油・天然ガス資源の支配を巡ってしのぎを削っています。こうした中で、イラク復興のカギを握る油田権益については、国際的な駆け引きが活発化しています。
  • 石油・天然ガスの探鉱開発は、ますます遠隔地や大水深、僻地化など自然条件が過酷な地域へシフトしています。一方、資源保有国における資源主権への高揚から、契約条件も厳しさを増している状況にあります。
(2)精製・元売
  • 長期景気低迷が続く経済環境の悪化、規制緩和による国際化・自由化競争時代の中で、石油産業は製品需要の減少や、流通市場における価格競争の激化などで市況が低迷し、企業収益が悪化するなど、苦しい経営を余儀なくされています。こうしたことから、石油各社は、精製・物流全般の合理化・効率化や、販売・管理部門を中心とする大幅な人員削減、組織の見直しなど、経営全般にわたるコスト削減に取り組んでいる状況にあります。
  • 現状、石油元売会社4グループ体制が定着しつつある中で、石油産業全体では、精製能力などの過剰問題を抱えたままとなっており、再編後における更なる合理化・効率化に向けた動きとして、
    1. 開発分野と精製・販売分野を結びつける業務提携や合併
    2. 総合エネルギー産業化への進出(電力・LNG事業)
    3. 関連会社の経営資源の効率化などを目的に持株会社の設立などがあります。
  • このように、石油事業の合理化・効率化を一層推進しつつ、既存施設の有効活用や電力などのエネルギー分野、新エネルギー(燃料電池など)にとりくみながら、異業種とのコンビナートルネッサンスの実現を通じて、総合的なエネルギー産業への脱皮に向けての努力が求められています。
  • 一方、道路特定財源の一般財源化、地球温暖化に関わる環境税・炭素税の導入検討や現状の過重・過大で不公正な石油諸税問題等、様々な課題を背負っており、行政・経営団体と連携をとり産業発展に向け鋭意努力しなければならない状況にあります。
(3)流通
  • 流通業界は、原油価格の上昇による価格転嫁の出遅れにより、総じて価格維持の経営が保たれ、市況低迷の混乱に歯止めがかかっています。加えて高濃度アルコ−ル含有燃料の販売規制に、エネ庁が指導要請する事態になったことを受け、「改正品質確保法」による公正な価格競争が期待される局面にあります。
  • 一方ではセルフSSの増加が著しく、全国で2500ヶ所(2003年3月末)を超す店舗展開の渦中にありますが、有人無人を問わずセルフSSの増加には雇用問題の影響が出始めています。
  • また、排気ガスによる地球温暖化問題と空気の汚染問題から、燃料電池並びに電気自動車等の研究が盛んに進められているものの、コスト削減と利便性に対する研究課題が残っていることから、利用者に対するカ−メンテナンスとメ−カ−各社との連携によるクリ−ンエネルギ−の販売強化が期待される重要な局面にあります。
(4)石油化学
  • 2002年度の石化各社の収益状況は、ポリオレフィン等一部製品では原料コストの上昇分を製品価格に転嫁しきれなかったものの、合繊原料や芳香族関連製品といった製品の市況改善や合理化によって前年度対比で改善されました。
  • 2003年度の石油化学業界をとりまく環境は、国内景気は依然として厳しく、石化製品の内需についても伸びが期待できないことに加え、SARS問題の長期化が内外需の停滞を引き起こす可能性が否定できないことなどの懸念材料があることや、平成16年度のポリオレフィンの最終税率適用を控え、より一層の効率化と根本的な構造改革を迫られる厳しい状況にあります。
(5)物流
  • 2002年度の国内貨物輸送は、消費関連貨物の若干の増加はあるものの、設備投資や公共投資の大幅な落ち込みにより減少し、60億tを割り込む状況となりました。2003年度についても、内需の目立った回復が期待できない中で、荷動きは引き続き低調に推移し、総輸送量は4年連続の減少が避けられないものと予測されています。
  • 石油物流においては、2002年度は寒波の影響により増送となったものの、ベースの需要は減少しており、引き続く運賃引き下げの要請に加え、環境規制強化によるコストアップ要因があるなど厳しい情勢が続いており、業界存亡の危機にある状況と言えます。
(6)LPガス
  • LPガス業界は、成熟市場に突入し需要が横ばいで推移する一方で、規制緩和が更に推し進められ、厳しい環境に直面しています。
  • 需要については、長引く不況、個人消費の低迷、CP高騰による価格競争力の低下等において厳しい状況にあります。平成14年度は、今冬の寒波の影響を受け、前年比101.7%の1,950万トンとなりました。
  • 更に、自由化範囲が拡大すれば、エネルギー産業間は同じトラック内での競争が激しくなり、助成面等において公平・公正なルールが必用となってきます。
  • 今後は、天然ガスや都市ガスと同等の助成措置等が講じられることによって、環境対策等に有益なLPガスの一層の普及がなされる必要があります。
 
産業政策活動へのとりくみ
労働組合の活動は、雇用の安定と労働条件の維持向上へのとりくみとあわせ、その前提となる、産業・経営基盤強化へのとりくみが不可欠です。また、国民生活に欠かせない石油の安定供給は社会全体の願いです。
こうした石油産業の現状と、この産業がどのような問題を抱えているかみなさんにご紹介するとともに、産業政策実現に向けた2002産業政策とりくみ目標を記載しましたのでご一覧ください。
(1)石油産業の現状と課題
<一次エネルギー供給見通し>
〜まだまだ石油は一次エネルギーの主役〜
石油は、現在、わが国の一次エネルギー供給において約50%のウエイトを占め、国民生活や産業活動を支える重要な基礎物資となっています。経済産業省の長期エネルギー需給見通しにおいても、2010年度の石油供給比率(目標)は45%程度となっており、今後も石油がエネルギーの主役とみています。
資料はこちら(資料-1)
<原油輸入>
〜日本は資源に乏しく脆弱な供給体制〜
日本の原油の国内生産量は極わずかであり、99.7%は輸入に頼っています。その輸入量はアメリカに次いで世界第2位となっています。
また、その原油の輸入先は中東が全輸入量の87.9%(2001年度実績)を占めています。中東依存度は1970年代前半には80%を超えていましたが、その後、石油危機の経験を踏まえ、政府や業界をあげて輸入先の多様化を進めた結果、1987年度には68%まで低下しました。しかし、1990年代に入り、中国やインドネシア、メキシコをはじめとする非中東産油国から輸入が伸び悩んだことから、中東依存度が再び高くなってきています。
資料はこちら(資料-2)
<環境への対応>
〜温暖化ガス削減が喫緊の課題〜
エネルギー消費は、二酸化炭素の排出等の環境問題とも密接な関係にあります。二酸化炭素は、フロンガスやメタンガスとともに地球温暖化の要因とされており、これら温室ガスの削減が環境問題の最大課題と言われています。とりわけ、化石燃料の消費増加に伴う二酸化炭素の排出増加への対応が喫緊の課題と位置付けられています。
私たちが快適な文化生活を営むためには、一定の経済成長が必要であり、エネルギー消費が不可分の関係にある中で、エネルギーの安定供給ならびに経済成長と環境問題との調和をどう図っていくのかが、わが国はもとより世界的にも求められています。
石油産業としても、石油コージェネレーションの推進などエネルギー効率の観点から努力もしていますし、新技術へのとりくみとして、燃料電池などの新エネルギー分野への研究開発にも積極的にとりくんでいます。
<石油諸税の実態>
★石油にはこれだけの税金が課されている!
年間4兆8,900億円(平成15年度予算)
★石油へは、多段階に課税されている
まず石油製品の原料である原油が輸入された段階で、関税と石油石炭税が課され、さらに製品となり消費者にわたるまでに、それぞれの製品ごとにガソリン税、軽油引取税、石油ガス税、航空機燃料税という個別間接税が課されています。
資料はこちら(資料-3)
★「不合理・不公正」な石油諸税の背景
1989年4月の消費税に際して、「公正」・「中立」・「簡素」の観点から個別間接税の整理が行われ、消費者の負担が増えないよう調整されました。
ところが、ガソリン税をはじめ石油諸税については、使途が決まっている「特定財源」であることを理由に廃止も軽減もされず、石油諸税を含む販売価格に単純に消費税が上乗せされるという不合理・不公平な措置がとられました。
資料はこちら(資料-4)
★TAXonTAXは不合理!その額1800億円
その後、消費税率3%から5%への引上げ時にも石油諸税の軽減(調整併課)を要望しましたが、1996年の税制改正大綱(自民党)では、「個別間接税のあり方もにらみつつ、適切な調整を含めて総合的に検討する。」とされるにとどまり、その後何の具体的調整も検討も行われていません。
現在(平成15年度予算)では、石油諸税に課せられている消費税(TAX on TAX分)だけでも、約1800億円にも達しています。
資料はこちら(資料-5)
石油諸税の軽減は、政治的要因も絡む難しい問題ですが、石油業界としては、石油諸税の軽減、二重課税の排除など抜本的見直しの実現に向けて積極的にとりくんでいきます。
★ガソリン1リットルの石油諸税と消費税
60%が税金とは驚き!

資料はこちら(資料-6)
★ガソリン税・軽油引取税には基本税率を超える暫定税率が上乗せ
ガソリン税や軽油引取税は、その税収のすべてを道路の建設・整備のために使うことを法律で定めている「道路特定財源」です。
資料はこちら(資料-7)
「道路特定財源制度」は、道路の利用によりメリットを受ける人が道路整備費用を負担することが合理的である、という受益者負担の原則に基づいて、ガソリンや軽油に税金を課してその税収をすべて道路に使う制度です。
道路整備を推進するため、ガソリンや軽油には下表のように基本税率を大幅に超える暫定税率が上乗せされ、わが国のガソリンは非常に割高なものとなっています。
[ガソリン税・軽油引取税の税率]
税率(円/KL)
基本税率
暫定上乗分
暫定税率
ガソリン税
揮発油税
24,300
24,300
48,600
地方道路税
4,400
800
5,200
28,700
25,100
53,800
軽油引取税
15,000
17,100
32,100
しかし、道路の公共性や多機能性を踏まえれば、その受益者は国民全体であり、石油業界では、道路整備事業も他の公共事業同様に一般財源で賄う事業と考えています。
 
2002年政策(とりくみ目標)
石油部会では、各部門におけるとりくみ目標を部会内で確認し、7月の省庁概算予算策定時に資源エネルギー庁へ要請行動を行います。また、石油諸税問題、環境税・炭素税の導入や道路特定財源の使途拡大などについて石油部会の考え方をまとめ、民主党や各議員へ要請行動を行う中で意見交換を実施し理解を求めています。
こうした、行政、政党・議員への意見反映には経営団体と連携しながらとりくんでいます。
1 . 石油・天然ガス開発関連
@
エネルギー安全保障上の観点から、石油・.天然ガス開発の推進については、今後とも国の支援策が必要不可欠である。
A
国の支援策を推進する組織については、石油・天然ガス資源に関する安全保障と効率的な支援策が円滑に推進でき得る体制が求められる。(現在、石油公団廃止法案審議中)
※石油公団廃止に伴い、それまでの支援機能(政策課題)については、同公団廃止法の成立後、その結果を踏まえ検討する。
2 . 精製・元売関連
@
石油業界は、国際競争力強化の観点から製油所の統廃合等が避けられない状況にあることをふまえ、製油所の合理化・高度化対策の支援や、石油コンビナート一体運営を図る「コンビナートルネッサンス計画」のための技術開発等への十分な支援策を引き続き講じるよう求めていく。
A
石油の安定供給体制構築には、原油調達ルートの安定化と緊急時対応の確立が必要であり、産油国との関係強化ならびにアジア諸国との連携・政策協調を求めていく。
3 . 石油化学関連
石油化学製品の原料となるナフサは、海外諸国との競争条件を均等化する意味から、現行2年間の時限立法となっている国産ナフサの石油税還付・輸入ナフサの石油税免税措置について恒久化を求めていく。
4 . LPガス関連
75%を輸入(80%が中東諸国)に頼っているLPガスの安定供給には、備蓄体制の確立や輸入先の分散化等が必要。国家備蓄の早期実現と民間備蓄に対する助成策の充実・強化、産ガス国との関係強化等の政策推進を求めていく。
5 . 流通関連
@
市況の構築に向けては、不当廉売や不合理な差別対価の排除が必要であり、公正な競争の観点から、引き続き公正取引委員会の監視・強化を求めていく。
A
不正流通防止に向けては、品質確保、特に脱税防止等、行政としての対策の徹底を求めていく。
B
集約化等のために閉鎖・転業する給油所や構造改革を目的とする事業多角化経営等への各種支援策の充実と継続を求めていく。
6 . 物流関連
物流業界では、更なる効率化に加え、情報化の進展が大きな変革をもたらす可能性や環境問題で大きな責任を有していることなどから、経済社会の変革に対応した新しい姿に転換させることが重要であり、国、地方が一体となった物流行政が実施されるよう求めていく。
7 . 石油諸税関連
@
石油諸税は、消費税抜きで約5兆円もの過重かつ多段階に税金が課せられていること、石油に対する消費税は、他の個別間接税と異なり単純併課となっていることなどから、道路特定財源の問題も含め、現行の石油諸税の抜本的見直しを求めていく。
A
環境問題への対応として、環境税や炭素税の導入が論議されているが、現行の石油諸税の抜本的見直しを行わないままの新たな課税・増税には反対の立場で対応する。
8 . 環境保全関連
石油産業は、SOx、NOx、煤塵、水質保全等の公害対策はもとより、エネルギー利用の効率化などにも積極的にとりくみ、環境保全を産業の大きな柱として位置付けている。今後も、さらなる環境保全に対応しうる研究・開発、設備の高度化にとりくんでいく必要があり、引き続いた財政的・政策的支援を求めていく。
 
石油産業の再編の動き
★5つのスーパーメジャー誕生
1980年から始まった世界的な規制緩和、自由化の流れの中で、欧米の石油産業では、製油所など遊休資産の閉鎖・設備の共同使用、業務提携などの効率化、合理化が進展するとともに、98年以降、メジャーを中心に更なる合併・集約化が行われた結果、5つのスーパーメジャーグループが誕生しました。
資料はこちら(資料-8)
★国内は4グループが軸
こうした、世界的な再編の流れや国内金融業界の再編などを背景に、わが国石油産業においても、石油精製・元売会社の再編に向けた動きが活発化し、過去にない規模とスピードで進み、200年時点において4グループを軸とした時代に入りました。
資料はこちら(資料-9)
★大規模な構造改革を実施
この体制への移行に伴い、製油所・油槽所・SSといった生産・流通・販売設備の整備が行われ、下表のような合理化・効率化結果となりました。
<合理化・効率化の状況>
年月
年月
製油所数
処理能力
98年4月 39ヶ所 03年4月 32ヶ所 ▲7ヶ所
541万バレル/日 490万バレル/日 ▲51万バレル
油槽所
93年3月 約600ヶ所 01年3月 約400ヶ所 ▲200ヶ所
SS
95年3月 60,421ヶ所 02年3月 52,592ヶ所 ▲7,829ヶ所
従業員
97年3月 約32,000人 02年3月 約21,000人 ▲11,000人
資料はこちら(資料-10)